しびれ・神経痛
しびれ・神経痛とは
一般の方は「しびれ」や「神経痛」という言葉を当たり前に使っていますが、これは病名ではなく症状の一つです。また、「しびれ」とは「神経痛」の中の一つの症状でしかありません。
では、「神経痛」とはどんなものなのでしょうか?
神経痛とは
読んで字のごとく、神経に沿った痛みのことを神経痛と言います。
神経とは人間の体の中で情報伝達をおこなう組織で、中枢神経と末梢神経に分かれます。
中枢神経とは、脳と脊髄に走っている神経で、そこから手足や内臓などにつながっている神経を末梢神経と言います。末梢神経には全身の筋肉を動かす役目の運動神経、痛みや感触などを伝える感覚神経、血圧や体温の調節や内臓の働きを調節する自律神経に分かれます。
例えば、熱いものを触ってしまった際に、手を引っ込める動作を行うのが運動神経、熱いと感じるのが感覚神経、それによって汗が出る・緊張して血圧が上がる・体温が上がるのが自律神経の働きです。
この末梢神経のうち、感覚神経が刺激を受け神経の経路に沿って痛みが発生することを「神経痛」と言います。
自律神経は血圧や体温の調節や内臓の働きを調節しているため、自分の意思とは関係なく24時間働き続けています。昼間や活発に行動しているときは「交感神経」が働き、夜間やリラックスしているときには「副交感神経」が働いているため、自律神経には2種類があります。
障害される神経により症状が異なります
運動神経
「運動神経」は筋肉を動かす働きをしています。障害を受けることで、力が入りにくくなるため筋力低下、ひどいと麻痺(まひ)を起こします。
感覚神経
「感覚神経」とは痛覚、感覚といったものから皮膚の触覚、食べ物の味覚など様々なものがあります。障害を受けることで、痛みやしびれ、敏感や鈍麻、麻痺などが起こります。
自律神経
「自律神経」は交感神経と副交感神経のバランスが大事になり、障害されることでこのバランスが崩れます。人によって大きく異なりますが、バランスが崩れると様々な症状が出ます。
不安や緊張が高まり、全身のだるさ、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠など、また内臓にも不調をきたすことがあり、神経性胃炎や過敏性腸症候群、過呼吸など胃や腸、肺や心臓など様々な症状を出します。
姿勢と神経の関係
神経は脳から始まり背骨を通り、手足や内臓へと伝わります。
姿勢は頭の位置から背骨・骨盤、手足に関係していきます。
姿勢が崩れることは神経の通り道を歪ませてしまうのです。
人間の神経は必ず背骨を通っているので、この神経の通り道をまっすぐにしてあげることは体を良くするためには必要になります。
当院では、末梢神経の問題であれば施術を行うことができます。これらのお悩みであればご相談いただけます。
代表的な疾患
首
頚椎から出た神経は、首から肩・背中、腕から指先へと抜ける。
首の頚椎や筋肉が何らかの障害を受けることで、首や背中の痛み、腕から指へのしびれなどが出る。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎の椎間板が左右に飛び出てしまうことにより、神経を圧迫して起こる現象
一般的にレントゲンでは診断が難しいが、MRI検査をすることにより診断されることが多い。
症状は顔を上に向けた際に上肢へのしびれや痛みが出ることが多い。
胸郭出口症候群
首周りの筋肉の圧迫により、肩から腕・指先にかけてしびれや痛みが出る
斜角筋症候群・肋鎖症候群・小胸筋症候群(過外転症候群)と呼ばれるものを総称して胸郭出口症候群と呼ぶ。
血管を一緒に圧迫することがあり、冷えやむくみ・血行障害が出ることも多い。
頚椎神経根症
首の神経が後頚部の筋肉や靭帯などにより、圧迫され神経痛やしびれを引き起こす現象。
検査では異常がないが、上向きでしびれが増したり肩の動きにより症状が出現することがある。
胸
胸椎で圧迫が起こることで、肋骨に流れている神経が障害を受ける。
肋間神経痛
片側の肋骨と肋骨の隙間で痛みやしびれを感じる症状
肋骨骨折やひびと間違えられやすいが、骨折であれば咳やくしゃみなど呼吸時に痛みが出ることが多い。
腰
腰椎から流れる神経の上部は腹部から股関節の前側を通り太ももへと抜けていき、下部の神経は臀部を通り足からつま先まで流れる。骨盤から出る神経は内臓器などにも関与している。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の椎間板が左右に飛び出ることにより、神経を圧迫する状態
圧迫された場所により大腿の後面や側面、ふくらはぎなどにしびれや痛みを伴う。
レントゲンで狭いところが確認できると、MRI検査で診断することが多い。
症状が強いと前屈みをすると痛みの増加や、仰向けで足を上げると痛みが出るなど検査が容易である。
脊柱管狭窄症
高齢者に多く、腰椎の変形とともに背骨の通り道である脊柱管が狭くなり、神経に触れてしまう状態
臀部から下肢のしびれや痛みであり、多くは歩行時に症状が悪化し座ったり前屈みでいると改善する間欠性跛行という症状を伴う。
梨状筋症候群
梨状筋というお尻の奥にある筋肉が過緊張することで、坐骨神経を圧迫し坐骨部や大腿後面、ふくらはぎにしびれや痛みを伴う。
腰椎神経根症
腰椎の神経出口を筋肉や靭帯によって圧迫され腰から足のしびれや痛みを出す。
検査では異常がなく、腰の伸展や回旋などにより増加し、腰痛を伴うことが多い。
手足
手足の神経沿いを直接圧迫されることにより痛みを出すことがある。
手根管症候群
手首の掌側に流れる神経が靭帯や筋肉の腱など何かしらの原因により圧迫を受け掌から指にかけて痛みやしびれが出ている状態。産後の方に多く、産後はホルモンの異常や使い過ぎによるものと言われている。
など
その他
上記にあげたものは末梢神経が原因で起きる症状のため、治療を行うことでしっかりと改善できます。
しかし、脳や疾病によって出現するものもあるため、こちらは専門医へとご相談することが大事です。
当院では、末梢神経が原因で起きた症状に対して、姿勢からの施術を行っています。万が一、当院の範疇ではないと判断できた場合には、速やかに医療機関をご紹介いたしますので、ご安心ください。
そこまで良くなるのか、変化をさせることができるのかをしっかりと初回でお伝えさせていただきます。
お問い合わせ