鍼灸治療
痛くない「鍼(はり)」熱くない「お灸(きゅう)」
鍼灸治療と聞くと、「鍼って刺すから痛そうだな」「お灸って焼くんでしょ、熱そうだね」という言葉を受けます。
しかし、これは決して全てがそうなのではありません、昔のイメージがついているだけです。昔、お灸というと悪い子にはお灸をすえるなどと言い、良いイメージではありませんでした。今の鍼とお灸はどんなものを使うのでしょうか?
当院で使っている鍼は髪の毛ほど細いため、痛みを感じにくいものです。はりというと注射針や安全ピンのようなものを思い浮かべますが、こんなに太くありません。
むしろ、蚊に刺されたときに痛みはありますか?これも同じように鍼になっています。鍼灸治療で使われる鍼は太いものから髪の毛程度の細いものがある中で、当院では患者様に合わせて太さを使い分けています。
お灸にも色んな種類があります。皮膚の上に乗せ火をつける直接灸、台座に乗せそこに火をつける間接灸、温めるために使う温灸や電気で温める電気温灸など。
当院では、台に乗せて使う間接灸と箱にお灸を入れて温める箱灸というものを基本的に使います。ですので、決して熱いということはありません。
鍼灸治療とは
「鍼灸」とは、身体に鍼や灸を用いて刺激を与えることで、健康増進から疾患の治療まで様々な効果をもたらします。鍼灸治療の幅は広く、痛みに対する治療から様々な病気の治療、うつや不妊治療などにも使われています。また、一般的にツボと言われる経穴(けいけつ)を刺激することにより、経絡(けいらく)という気の流れを良くします。身体には気が流れていると考えられ、この流れを良くする治療法を経絡治療と呼んでいます。
東洋医学の考え方
鍼灸や漢方などを使って全身の気血津液(きけつしんえき)の流れを調節するような治療の考え方を東洋医学と呼びます。反対に、解剖学や生理学といった、人間の目に見えるものに直接アプローチするのが西洋医学の考え方です。
大きく分けて考えると、全身を見たうえで悪いところを直接治すのが西洋医学、全身を見て、どうしてここが悪くなったのかを考えて間接的に治していくのが東洋医学です。
例えば、胃が痛いという患者さんに対し、胃薬を出すのが西洋医学、ストレスによって身体が弱くなっていると考え、身体が弱くなっているのを助ける漢方薬を出すのが東洋医学です。伝わっているでしょうか。
どちらが正しいということはありませんが、どちらを選択するのかは自由です。
施術方法
当院では、姿勢の治療にプラスして鍼灸治療を取り入れています。 身体の根本を作っているのが姿勢です。日常生活を送る限り、姿勢が良いに越したことはありません。この姿勢の治療と並行して、全身の調節や症状に対しての治療を行います。
腰痛や神経痛であればピンポイントで患部を治療し、身体の中の不調(胃部不快感や生理痛など)があれば、自律神経を整えていきます。
保険適応について
鍼灸治療は基本的には自費での施術となりますが、症状により「医師の同意書」をもらうことで保険適応にすることもできます。慢性的な疼痛を主訴とする疾病(3か月以上痛みが続く状態)であることが条件となります。
保険適応は下記の6疾患+その他となります。
・神経痛
・リウマチ
・頚腕症候群
・五十肩
・腰痛症
・頚椎捻挫後遺症
・その他
少し具体的に説明していきます。
神経痛
神経痛とは身体の神経に沿った痛みやしびれ、感覚障害といったものが対象となります。 ヘルニアによる坐骨神経痛や脚の痛み、腕のしびれなど
リウマチ
血液の病気であるリウマチは関節の痛みを伴います。病院で診断された方が対象です。
頚腕症候群
首・肩・背中・腕などの痛みを指します。長期間続く首肩こりなどが対象です。
五十肩
肩が上がらなくなる、上げると痛い状態の方が対象です。
腰痛症
一般的な腰痛が長く続いている方が対象です。
頚椎捻挫後遺症
交通事故によって起きた首のむち打ちなどで、示談後に症状が残った方や再発してきた方が対象です。
その他
慢性的な疼痛を主訴とする疾病で医師が認めたもの
上記が保険適応疾患となるが、鍼灸保険では健康保険での決まりから同じ疾病に対してその他医療機関との併用は認められていない。例えば、腰痛があり整形外科で湿布をもらっている、腰痛で整骨院にかかっている、このような場合は鍼灸保険で施術を受けることができない。
詳しくは当院までご相談ください。